1995年頃、当社はオリジナルフラワーアレンジ用吸水フォーム「アクアフォーム」の特性を生かした応用製品の開発を目指し、和歌山県農業試験場と研究を進め、従来の土壌では難しかったプランター栽培やベンチ栽培が可能となりました。
人工土「アグリフォーム」は、その大きな特徴が団粒構造維持にあります。
「アグリフォーム」は約2500容量部(100重量部)で、水1200~1275重量部の高い吸水力を誇りながら、排水率は体積の1%未満という高い保水力を持ち、体積以上の水は流れ出るため、十分に潅水した後でも気相率は40%以上という最適な環境をつくります。
「アグリフォーム」使用している樹脂は環境に配慮した作りになっており、劣化がほとんど起こらないため、土のように吸水が続く事で起こる土壌硬化がおこらず、半永久的にフワフワな団粒構造が続きます。心配される肥料や農薬と樹脂が反応するような化学変化が起こらない耐薬品性という機能も持ち合わせています。
実際の農業で使われるようになってから凡そ30年の間、土壌汚染や水質汚染も起きた事が無く、植物に何らかの影響を及ぼした事もありません。多くの生産者様に安心安全にお使い頂いております。
アグリフォームをお使い頂く事で栽培管理に基づいた設計も容易で、収量の明確化、重作業の省力化、生産計画が立てやすく、例えばブルーベリーは大粒で甘く上質なブルーべリーが沢山できるため、多くの生産者様に採用頂き、今ではなくてはならない人工培地になっています。
テスト方法は潅水後、鉢底から水がしたたり落ちなくなった時点での数値を表しています。
育苗用土 | アグリフォーム | |
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気相率 | 15%以上 | 93.8% |
全孔隙率 | 75%以上 | 94.5% |
透水速度 | 0.1L/min以上 | 1.25L/min以上 |
最大容水量 | 60g/100g以上 | ※1200g/100g |
※約1200gに対して乾土100gあたり換算
和歌山県農業技術センター調べ
※実際のブルーベリープランター栽培
画像提供:オーシャン貿易(株)様
保水量は通常の育苗土が60g/100gであるのに対して、「アグリフォーム」は1200g/100g(体積比で50.9%)になります。仮にアグリフォームのように高い吸水量の育苗用土であるとした場合に、
土中に含まれる空気量が少なくなり、その結果、根腐れを起こすというのが今までの常識です。「アグリフォーム」は高い吸水量があるにもかかわらず含有量以上の水が流失することにより最適な団粒構造が形成され、その隙間に体積比で42.9%(乾燥時気相率-最大容水量%)の空気層を持っている事がわかります。
これにたいして育苗用土では、乾燥時においては気相率は15%をわずかに上回る程度しかありません。
この液相と気相のバランスが根の発達を促進する大きな要素となっています。
作物を元気に育てるには、根が丈夫で養分を吸収する細根がたくさんあることが重要です。
良い根を作るには、「根の呼吸を良くする」、「水もちと水はけを良くする」「根をしっかり支える(活着)」。
この3つの「気相」「液相」「固相」と言われる条件が必要です。これを実現するのが 、大き目の粒子の団粒構造を持った土壌です。
「アグリフォーム」はこれら3つの条件を持つ人工土です。